お正月といえば、凧あげ、羽根突き、福笑い等、いろいろな遊びをしたことがありますよね。 今回は、その中から"かるた"を取り上げます。といっても、ただの"かるた"ではありません。今月紹介するのは、 所沢市の郷土を紹介する『所沢市郷土かるた』です。
郷土のカルタを作りましょう
こんな見出しの記事が「広報ところざわ」に掲載されたのは、昭和48(1973)年7月号のことでした。
所沢の物産、祭行事、風俗、名所、史跡等、郷土にちなんだ文面を市民の方から募集する記事でした。この募集には、 72名の方から179首の応募があり、その中から48首が選ばれ『所沢市郷土かるた』の文面となりました。
市内こぶし団地にお住まいだった日本画家中川清画伯の絵と、斉藤修治先生、内野弘先生による解説が加わり、 かるたが発行となったのは、翌年、昭和49(1974)年2月20日でした。所沢市文化会館にて23日に発表と授賞式が行われ、 同文化会館で1組550円で販売されました。
現在は、残念ながら絶版になっており、入手することはできませんが、図書館本館3階参考図書室でご覧いただくことができます。
郷土案内
札には、所沢の郷土にちなんだ文章が並び、文字札の裏に解説が書いてあります。
「と ところの葉はわが市章」
「る 留守居もせわし茶請の団子」
「よ 吉保公の三富開拓(さんとめかいたく)」
「ね 根古谷城址(ねごやじょうし)は狭山湖ほとり」
札を見ているだけでも郷土について興味がわいてくるような内容です。
「に 賑やかな祭ばやしは重松流(じゅうまりゅう)」
「ほ 北条氏の滝の城」
「ま 曼荼羅(まんだら)河童の詫状文」
「ふ 福泉藤吉(ふくいずみ とうきち)将棋の名手」
などは、このコラム「所沢の足跡」で取り上げて紹介しています。
他にも郷土かるた
全国各地にある"郷土かるた"。埼玉県でも教育委員会が昭和57(1982)年12月に『さいたま郷土かるた』を発行しました。
県内の小中学生に文面や絵柄を募集し、製作されました。発売を開始したところ、わずか4日で予定していた1万セットが売り切れてしまいました。
それから20年が経った平成14(2002)年、新たな名所等が生まれていることから、再び募集し、刷新した『彩の国21世紀郷土かるた』が発行されました。
現在『彩の国21世紀郷土かるた』を使った小学生の大会が毎年各地域で開催され、上位者は、県大会に出場します。所沢市でも平成9(1997)年、 市民体育館での県大会開催をきっかけに、毎年開催されています。(K)
参考文献
- 『所沢市郷土かるた』所沢市《K798ト》
- 『さいたま郷土かるた』及び『彩の国21世紀郷土かるた』埼玉県教育委員会/埼玉県子ども会育成連絡協議会《K798サ》
- 「埼玉新聞」昭和49年2月20日・昭和57年7月13日/10月9日/12月5日・平成9年1月5日・平成14年5月28日
- 「日刊新民報」昭和49年2月24日
- 「広報ところざわ」昭和48年7月号・昭和49年2月号